インラインスケート(ローラーブレード) トリックスラローム インストラクターuhouho(ROLLERBLADE契約選手)のブログ

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日本における契約ライダーの現実

スポーツ選手におけるプロフェッショナル(以下プロと省略)とアマチュアの差はどこにあるのか?
プロという言葉は大きく2つの意味を含んでいる。

1.そのスポーツを職業として報酬を受け取っている人
2.そのスポーツに対して専門的知識・技術を有している人

人によってイメージするものが多少異なってくるが、世間的にプロのスポーツ選手と言われれば、1.を想像するだろう。
しかし、日本においてスポーツ選手で純粋にスポーツだけで生計を立てられる者はそう多くは無い。

プロ制度が整備されているスポーツ(ボクシングやゴルフなど)においては、プロ認定を受ければプロになる。
プロ制度がないスポーツにおいては、企業からスポンサー契約を受けることがプロ認定と同義だと言えるだろう。
それらはプロのステージに立てる権利が与えられるだけで、生計を立てることが十分にできるという意味ではない。

メジャーではないスポーツのプロ選手は、自分自身をプロデュースする芸能プロダクションを自ら経営しているようなものだ。
自らが仕事を生み出さなくてはならない。

プロとアマチュアの差は、スポーツで得た報酬を1次的なものにしているかどうかにあると言えるだろう。

では、スポーツで得た報酬を2次的なものとしている者は何と呼んだら良いのだろう?
FIFA(国際サッカー連盟)ではスポーツを職業としていないが、スポーツをする事で報酬を受け取っている人をノン・プロフェッショナル(以下ノンプロと省略)と表現するらしい。
前置きが長くなったが、日本のインラインスケート業界について説明しよう。
インラインスケート業界にはプロ制度は無い。
だから、メーカーやショップとスポンサー契約をすることがプロ認定と同義になる。

日本のメーカーに相当する企業のほとんどが総輸入代理店だ。
ショップはこの代理店を通して、商品を卸し販売することが基本になる。

国内のマーケティング(市場分析から販売促進まで)をするのは代理店の役目だ。
もちろん、メーカー本体と方針が大きく異なっては問題があるために事前にすりあわせをする。
実際は代理店の担当者がプランを立て実行するのがほとんどのケースだ。
契約ライダーを決めるのもマーケティングの一環だ。
契約ライダーとの契約条件を決めるのも代理店の担当者だ。

活動範囲が日本国内が中心になるライダーのほとんどはノンプロだ。
道具は提供されるが、活動のステージは自分達で作っていく必要があるのがほとんどだし、それを1次的な収入としていけるライダーはほとんどいないだろう。

USD契約ライダーの 森 滋 さんは Skaters Profile (注意:音が鳴るサイトです) でこう書いている。

実際にプロと言われるようになって感じた事は、マイナースポーツのインラインスケートは、とても食べていけるものではなく、フリーの営業マンに近い存在。
そのせいもあってか今、若い子達はプロに魅力を感じている子が少ないと思えてきました。

だから今、僕に憧れと夢を与えてくれた人達の代わりとして、今度は僕らが憧れと夢を与えたい。
無いものは作る。
滑る所が無いなら滑れる場所を作る。
スケートの仕事が無いなら方法を考える。
この気持ちを今の若いスケーター達に伝えたい。

僕は契約ライダーとは、業界と企業のために働く志願兵だと思っている。
そして、物事の決定権は上官である担当者が持っている。

皆さんにはどう見えるのだろうか?

SPC オーバルガーデン 20120923 - YouTube

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ROLLERBLADE契約選手uhouhoです。 スラロームを中心にインラインスケートの普及活動をしています。

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