インラインスケート(ローラーブレード) トリックスラローム インストラクターuhouho(ROLLERBLADE契約選手)のブログ

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知られざる世界ランカー安床栄人・武士

東京新聞:インラインスケート 安床栄人・武士 競技の未来、背負う兄弟:知られざる世界ランカー:特集・連載(TOKYO Web)2016年3月4日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/sekai_ranker/list/CK2016030402000197.html

 最高峰のXゲームをはじめとするインラインスケートの世界大会で、2人の優勝は計107回。海外で抜群の人気を誇る「ヤストコ・ブラザーズ」は、今年世界戦デビューから21年目を迎えた。兄の安床栄人(32)、弟の武士(29)。競技の未来を背負う立場となった2人は、選手、パフォーマー、指導者として、挑戦への歩みを止めない。

兄弟が世界の頂点に君臨するバート競技(別名ハーフパイプ)は、空中で回転やひねりなどの技を繰り出しながら、半円筒状の構造物の中を滑走する採点競技。冬季五輪のスノーボードとスキーの種目にある「ハーフパイプ」のイメージ。始めたのは競技が誕生して間もない栄人9歳、武士6歳の時だ。

同じ環境で育ったのに、2人のスタイルは全く違う。「身体能力には自信がなかった」という栄人は、2回後方宙返りなど難易度の高い回転系の技を磨いてきた。武士は「高く飛び上がることを追い求めてきた」といい、最高到達点8メートルの演技は圧巻だ。

戦績がすごい。栄人は1997年に13歳で初優勝して以来、世界大会での獲得メダルは金48を含む113個。「アクションスポーツのオリンピック」と呼ばれ、米国で開催されるXゲームは過去最多の3度優勝。また武士は金59を含む114個を獲得。Xゲームも2度優勝した。

2人で滑るダブルス種目は、安床兄弟が毎回圧勝するため、早々に廃止。そして2005年、Xゲームからインラインスケートの種目が完全になくなった。欧米の選手ではなく、毎年日本人の兄弟が優勝争いしていることも関係したとされる。

1970年代前半に一世を風靡(ふうび)したローラーゲーム。兄弟の父、安床由紀夫さん(60)は、あの東京ボンバーズの練習生だった。解散後は、プロスケーターとしてローラーディスコの普及に取り組んだ。母親も元プロスケーター。2人は3歳になる前から当たり前のようにローラースケート靴を履いた。

スケートの魅力を尋ねられる度に、栄人は答えてきた。「物心がついたときにはやっていたから、スポーツという意識を持っていなかった。僕らにとって滑ることは自然なこと」。ただ、大会への出場を目指すようになってからは、父の指導は厳しさを極めた。

世界戦デビューは栄人12歳、武士9歳の時。由紀夫さんは「子どもたちをスパルタで育てました。勝手に練習の目標を設定し、できるまで朝の5時まで特訓したこともある」。夜を徹しての練習は安床家の日常の光景だった。

「一番嫌な時代。楽しくなかった」と振り返る武士も、父への理解は示す。「海外に行くとなるとお金もかかるし、いろんなものを背負うから父も熱が入っていた。練習法も分からない中で、がむしゃらにやるしかなかったと思う」。だが、その猛練習の積み重ねが、「ヤストコ・ブラザーズ」を生んだ。

神戸市東灘区。六甲ライナーの終着駅にほど近いところに、安床家が経営する「Gスケートパーク」がある。海外の選手や指導者が、安床兄弟から卓越した技術や練習方法の教えを請おうと、ここを訪れる。

「今は世界のインラインスケートの歴史を左右する立場にいるのでやりがいがある」と栄人は言う。それは、兄弟が普及活動をやめたら、競技自体が衰退しかねないという危機感でもある。

2人の男児の父親でもある栄人は1月から、幼児・児童向けのインラインスケート教室を始めた。遊びながら体幹が鍛えられ、バランス感覚が養われるという。「まずはスケートの楽しさ、面白さを知ってもらえれば」

一方、武士は「これからは定期的なショーを増やして、全国ツアーもしてみたい」と夢を語る。まだまだマイナースポーツの日本で、興行として成り立てば、後に続く若者の励みになる。

近年は、競技よりもショーや普及活動に軸足を移している兄弟だが、自信満々に口をそろえる。「皆さんの前で世界一の技を実演できるようにスキルは維持している。仮に大会に出れば、間違いなく優勝します」 (牧田幸夫)

◆2人で世界大会107勝

<安床(やすとこ)兄弟> 大阪府豊中市出身。兄の栄人(えいと)は、12歳で世界大会参戦。1997年に13歳でワールドプロツアー初優勝。Xゲームは過去最多となる3度(99、00、03年)の優勝を果たす。世界大会通算48勝。32歳。

9歳でプロデビューした弟の武士(たけし)は、Xゲームは2度(02、04年)優勝し、最年少出場(11歳)のギネス記録も持つ。Xゲームから移行したアジアンXゲームでも7大会連続王者に輝くなど、世界大会通算59勝。29歳。

◆全日本選手権に50人出場

<インラインスケート・バート競技> 1990年代初めに生まれ、95年に始まったXゲームに正式種目として採用。世界各地で国際大会が開催されるようになった。国内の愛好者数、競技人口は不明だが、安床兄弟が所属するグッドスケート株式会社が神戸で開催する全日本選手権には40~50人が出場している。

[Info] 安床エイトよりメッセージ - YouTube

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ROLLERBLADE契約選手uhouhoです。 スラロームを中心にインラインスケートの普及活動をしています。

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