雑記

ベアリングについて

初心者が中級者になりかけの時にブーツやベアリングに凝りたがる方々が多いです。

ベアリングのABEC表記の意味については、20年ほど議論されてきたことなので、詳細は省略させていただきます。
簡単に言うと、ベアリングのABEC表記というのはベアリングの精度を示す指標であり、数字が大きい物ほど精度が高いことを指しています。
そして、ベアリングについてのインラインスケート業界での論争は炎上レベルで騒がれていた時代があります。
今回の記事は炎上覚悟でそんな昔の話から掘り返してみようと思います。

まず、先人たちが散々議論した結論をuhouho的に簡単にまとめると、

  • ABEC1、JIS等0級という最低ランクでの軸ブレ精度0.01mmであるという(工業用)ベアリングメーカー・販売店の言い分。
  • フレームとブーツの取り付け位置や、他の部品はその精度に追いついているのか?
  • しかし、速いベアリングと遅いベアリングは確かに存在しているように感じる人が多い。
    現実にスピードスケーターは何度も実験を重ねている。
  • 精度ではなくボール・リテイナーの素材・加工方法や潤滑油の影響が大きいのではないか?
    リテイナーには大きく金属製と樹脂製のものがあるが明記されていない。
    また、ボールの数が変われば大きさも変わるはずだし、抵抗も変わる。
    表面加工によってオイルやグリスが膜をどのように形成するのかが変わってくるはず。

ということです。

しかし、リテイナー(保持器)や潤滑油についてどころか、ボールの数さえほとんどが表示されていません。
なので、熟練スケーターはベアリングを精度で比較せずブランドで選ぶようになっていきます。
「~のベアリングは買わないよ(笑)」とか言われるのはこのせいです。
ウィールと良く似た状況ですね。

皆さんは、ウィールのコア・ベアリングスペーサー・フレーム・フレーム取り付け位置・フレーム取り付けネジの精度を気にしていますか?
ウィールを一定以上使用すると、ウィール表面だけでなく、コアの部分が負荷で変形してきます。
そういう精度を気にしたことがありますか?

こういったことが分かってきたせいか、最近のメーカーはABEC表記をあまりしなくなりました。
精度ではなく、インラインスケートにとっての滑走性能を示す指標を新しく作り始めたのです。
例えば、ROLLERBLADEはILQという独自指標でベアリング性能を示すようになりました。
uhouhoはこの何年もROLLERBLADEのILQ7か9を使用していますが、タフでよく回るベアリングだと思います。

uhouhoがいつか実験してみようと思っていたことを実行していた方を見つけたので、ご紹介します。

sk8 ベアリング検証 準備:べ~ぶるの試行錯誤
http://bable.tank.jp/purchase/sk8_b_inspect02.html

非常に高価なベアリングを買った身で、この結果を見るのはつらいものがありますorz。まるで「ドングリの背くらべ」ですよ。
BONESとFIZZ(2種類)の計3セットだけで15000円も使ってるんですよ~~これはないでしょ(^_^;)
そんなこと言っても始まらないので、明るい未来を目指して、今後使うベアリングは、、、何を使ってもいいみたい。安い方がいいよね。消耗品だし。
たとえABEC7が使われていても、コンプリートであれば生産工場の係員の作業次第ですね。アクスルナットの締めすぎで回らない、重い、すぐ止まる、という状況になることがあります。
いくら高価なものを使おうが必要な手入れをサボれば、その性能は顕著に低下するでしょう。

上記ページだとPennyベアリングだけが性能が高いように見えますが、その後の検証も下記でされています。
※Pennyとは最近流行っている小さいスケートボードの事のようです。

sk8 工業用ってすごい鴨:べ~ぶるの試行錯誤
http://bable.tank.jp/purchase/sk8_b_inspect07.html

ショック~~~!距離が同じです。なんで?(理論上そうなるんだけどね・・・) Pennyが軽く走るのはオイルベアリングのお蔭だ、と思ったのは大いなる勝手な思い込みでした。あれはウィールのお蔭です。

あるスピードスケーターがよく言っているのは「ベアリングの入れ方・出し方が大きな問題」とのこと。
正確に真っ直ぐ入れないと、ウィールのコアを変形させてしまい、結局はベアリングが理想通りに回る状態にできないとのこと。
ベアリング自体も重要ですが、正しいセッティングが大前提での話ってことですね。

追記
上記の実験はグライドでの性能比較だけであり、スケーティング時の負荷が考慮に入っていないことを付け加えておきます。
また、耐久性も比較されていませんので、この辺りは各人が考慮すべき点と考えます。
実際、すぐに回らなくなるという噂のベアリングもあります。
加えて1%から2%とはいえ差がある結果も出ていますので、真剣に速度を追求する方々には「誤差じゃん」では済ませられない事実と考えます。

また、スケーティングの負荷はあらゆる方向からかかるため、グライド実験の結果が、そのままスケーティング性能に反映されるとは限りません。

それから、ウィールの影響が非常に高いことも分かると思います。

uhouho自身、ベアリングについては今のところILQ7で満足しています。

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ROLLERBLADE契約選手uhouhoです。 スラロームを中心にインラインスケートの普及活動をしています。

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