同じ人が、同じ場所・同じ時間・同じ行為をし続けることは不思議な雰囲気を作り出すことがあります。
あたかもその場所が「その行為をするのが当然の場所である」という暗黙の了解に似た物が生まれます。
僕はよくこれを「魔法のかけ方」と比喩します。
魔方陣を描き、呪文を唱え続ける行為に似ていると思ったからです。
先人は昔から魔法をかけてきました。
スラローマーはパイロンを並べ、何度も何度も同じように滑り続けます。
そのことでその場所はスケートをする場所だという印象を作り続けます。
しかし、これは日本の公園では諸刃の剣になりうるケースがあります。
一度「場所を占領している」という類の印象を与えてしまうとクレームの対象となり、規制が厳しくなることもあります。
この印象は占有している面積と人数の関係も強く関係していると思われますが、それだけでは無いように思います。
これについては、別途記述しようと思います。
シティランナーは同じ時間帯に同じコースに集まり滑り続けることで、これを行っています。
フランスのフライデーナイトスケートも初めから行政の協力体制があったわけではなく、紆余曲折の末に現在のように交通規制と警察の先導などがつくことになったと聞いています。
これら海外の例などを参考に含めながら、上野CRは同じ時間に同じ場所で集合してはじめることで「人の目に触れさせて、インラインスケートで町を移動することに世間の目を慣れさせる」目的を含んでいたらしいです。
正式に場所を獲得した場合にも、滑り続けることには大きな意味があります。
せっかく獲得した場所も継続的に利用されない場合、失うこともあります。
僕が例として耳にしているのは「彩湖・道満グリーンパークのローラースケート場」の話です。
スケートスポットとしてスケーターには良く知られている彩湖・道満グリーンパークには、かつてローラースケート場があったそうです。
しかし、これは現在は 地図 にも記載されていません。
正確な理由は分かりませんが、かつてローラースケート場が作られ、それが利用されずに荒れた状態が続いたのは間違いないでしょう。
それに気付いたインラインスケーターが整備の署名運動を行い、戸田市に交渉をしたが取り下げられた(却下された)経緯があります。
《取り下げとなった請願・陳情》
彩湖・道満グリーンパークローラースケート場の整備に関する陳情
行政と交渉する機会の多いインラインチャレンジ協会の代表にこんな話を聞いたことがあります。
一度使われなくなってしまった施設を復旧するように交渉する方が、新規に施設を作るよりも難しい。
使われなくなった理由と復旧させる理由を明確に証明しなくてはならない。
これは非常に難しいことだ。
僕はこれらの話を総合して、ローカルサーファーの話を思い出しました。
各浜にはローカルサーファーがいて、普段は優先的に波に乗っている。
しかし、一見サーファーが来て危ない場所に行かないように目を利かせていたり、夏の終わりには自分たちでビーチクリーンと称して浜を掃除して回ると聞きます。
結局は誰かがその場所を守らなくては、どこかで問題が起こるのだろうと思います。
滑り続けることが、その場所を守る一つの要素であることは間違いないと思います。
ローカルが居る場所では、できるだけローカルの意見を聞くようにした方が良いでしょう。
その場所を守るためのそれなりの理由のある暗黙のルールがあるはずです。
ローカルが誰も居ないときに占有して場を荒らすことなどが無いように、ちょっとだけ気を使う優しさを持ちたいですね。
「滑り続ける為に滑り続ける必要がある」
矛盾している言葉のようですが、事実だと思います。

uhouho

最新記事 by uhouho (全て見る)
- 笠間の公園にスケボー施設 全国屈指の競技エリア規模 来年4月にオープンへ - 2020-09-19
- スポーツ博覧会・東京」10月開催 - 2019-07-26
- 横浜市中区でローラースケート体験会 - 2019-07-18