スラロームは本来「スキー・カヌーなどの回転競技」を指す言葉です。
その言葉どおり、昔からインラインスケート業界でも回転競技を指していました。インラインスケートのスラローム競技の原型になるイメージを作ったのは、長良川大会でのスラローム競技でしょう。
スキーポール~パイロン~スキーポール
という形のコースが用意され、タイムを競う競技が行われます。
パイロンだけを並べるスラロームを、大会・イベントでスラローム競技と呼ぶことが出来ないのは、こういった前例が多数あるためです。
そのため、古くからの業界に関わっている人はパイロンを使ったスラロームをトリックスラロームと呼びます。
このトリックスラロームという言葉はどこで生まれたのでしょう?
諸説ありますが、僕は葛西臨海公園だと思っています。
また、NIFTY SERVEのフォーラムであるという説もあります。
僕が見てきた中では、トリックスラロームの発祥はほぼ同時期にあちこちで起こっていました。
僕が駒沢で梁川さんに会った時(1997年くらい)には、彼は飛燕の原型を完成させていましたが、僕もワンフットスイッチを完成していました。
光ヶ丘の相馬さんもトリプルクロス(鬼足の変形したようなもの)をやっているのも見ました。
自分で hello.to/sk@ter を立ち上げようと、色々ネタを考えているときに「トリッキースラローム」という言葉を考えましたが、h/i-ROMさんのサイトを見つけて、既に「トリックスラローム」という名前で呼ばれていることを知りました。
h/i-ROMさんは葛西臨海公園で滑っていて、JAILさんなどすでにオリジナルのルーチンを作る人もいました。
この時の印象から、僕は葛西臨海公園がトリックスラロームという言葉の発祥地だと思っています。
これから数年後(2001年)に、光ヶ丘パイロンズによるインラインスケートフェスティバルの中に「フリースタイルスラローム」というコーナーが用意されました。
これは、皆が好きにJAM形式で滑ろうというコーナーでした。
当時トリックスラロームと言ってしまうと、「トリックと呼べるほどのことが出来なくては、出てはいけない」という雰囲気が出てしまうのを懸念して、「フリースタイル」という言葉が採用されたそうです。
話が多少逸れますが、インラインスケートを知らない人が「フリースタイル」と呼ぶものは、スキーやスノーボードの影響なのか「アグレッシブ」を指すことが多いようです。
自由に好きなことをやるというイメージが強いようですね。
現在、「フリースタイルスラローム」というと、ヨーロッパスタイルのスラロームを指すことが多いようですが、混在しているにはこのような背景があるのです。

uhouho

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