屋根裏部屋

滑り続けるために必要なこと

人、物、場所が揃って初めて滑れる環境が整うと僕は思っています。
この中でも問題を起こしてからでは遅い(もしくは復旧困難な)「場所」について少し考えてみようと思います。

インラインスケートが滑れる公園とはどのような公園でしょう?

路面が良い公園?
広場がある公園?
サイクリングロードがある公園?

もちろん、そのような条件もあるかもしれません。

しかし、最も重要な指標は「排除されない」ということだと思います。

そもそも、なぜ「スケート禁止」とされている公園があるのでしょう?
それはインラインスケートかそれに類するもので問題を起こしたり、公園管理者にクレームが多数寄せられたからに他ならないと思います。
つまり、「現在は禁止されていない」公園であっても、「今後も禁止されない」という保証はどこにも無いのです。

そして、表向きは「スケート禁止」とされている公園で黙認され、滑り続けることが出来ている公園もあります。
このような場所は、例外なくスケーター自身がいかに「問題にならない」かを周囲に気を配り滑っています。

  1. 歩行者を最優先する。
  2. ゴミを他の人の分まで、片付けてから帰る。
  3. タバコを吸いながら滑らない。
  4. お酒を飲んだら滑らない。

歩行者を最優先させるのは当然ですが、周囲にはできない人がいることもあります。
埼玉県のJ公園では、スケートボードが周囲で遊んでいた幼児に当ってしまい死亡事故が起こりました。
その公園ではスケートの類が全て禁止されました。

インラインスケートにとってはもらい事故のような話ですが、互いに声かけも必要だと思います。

また、歩行喫煙でさえ条例で禁止されてゆく現在、喫煙しながらスケートをすることが危険だと思う歩行者は多数いると思います。

そして、飲酒をしてのスケートは僕は個人的にでも断固反対します。

かつて、スラローマーが埼玉県のD公園に集まって遊んでいたときに、飲酒してスラロームをした男性が転倒し、生死の狭間を彷徨った事故を目の前で見たことがあります。
その男性は、当時は誰にも一目置かれる腕前を持った方で、しかも転倒したときは割と得意な技をやっていた最中だったと思います。

頭部を強打し一度意識を戻したものの、救急車で搬送中に再び意識を失い、本当に危ない状態にまでなったと聞いています。
飲酒をしての自転車でさえ禁止されているのに、スケートをして大丈夫だとは自分には到底思えません。

我々はスケートが禁止にならないように、周囲に気を配ることしかできないのでしょうか?
事故が起こってしまったら、クレーマーに目を付けられてしまったら、抵抗することはできないのでしょうか?

団結・団体結成こそが有効な手段だと思います。
これを行うには準備にある程度の期間と努力を要するでしょう。

団体結成は公共機関と対等に話し合い、協議するために有効な手段の一つです。
僕の知りうる大きな成功例は、 光が丘パイロンズ と みどり市インラインスケートクラブ です。

光が丘パイロンズは問題が起こる前に結成し、活動を開始しました。
毎年、イベントを開くのは楽しむためもありますが、「ただ滑っている」のではなく、「競技として真剣に取り組む」という姿勢をアピールする目的も含まれています。
会長の相馬さんは「毎週滑ることと、イベントを開いて競技することは、ここで滑り続けるための両輪のようなものです。」と言っています。

競技する目的があり、それに向かって練習するという繰り返しが、世間に対して「インラインスケートは遊びではない」と伝える力になることを指しているのだと思います。

また、みどり市インラインスケートクラブはそれまでの活動場所にクレームが来てから、必要性を感じ結成されました。
光が丘パイロンズや他の協会が開いたイベントに参加した実績も含めて認められ、現在の活動場所を確保することが出来ました。

団体を作るのに難しいことはありません。
会の名前を作り、目的を掲げ、賛同する方の名簿を作成することが最初の一歩です。
そして、イベント・大会へ積極的に参加し、できれば自分たちでも競技性のあるイベントをやってみましょう。

自分たちだけでやる、簡単なタイム計測会でも良いのです。
その行動と記録がいつか後ろ盾になるときが来ると思います。

このような活動を新しく始めた はらっパ・スケート同好会 も好調な滑り出しを見せています。

まずは、クレームがこないように活動することをスケーターの共通認識にしましょう。
周囲の迷惑を考えるだけでなく、最終的には自分たちの身を守るためになるのですから。

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ROLLERBLADE契約選手uhouhoです。 スラロームを中心にインラインスケートの普及活動をしています。

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