スラローム選手権大会が毎年開催されるようになり、スラローマーにとって一つの目標となる大会が樹立されました。
ただ、いくつか心配事がありました。
・参加者が試合に勝つことが全てだと思ってしまい、スラロームが演技であることを忘れてしまわないか。
・勝ち負けを決めることを好まない人たちが目標とできるものが見当たらない。
僕はデモンストレーションを見たことが切っ掛けでインラインスケートを始めた人間です。
だから、デモは重要だと思っています。
デモを見るまではインラインスケートはただ滑るだけの道具で、それ以上の世界など考えもしませんでした。
・新しい世界を知らせること。
・やってみようと思わせること。
・目標にできるようなものを見せること。
デモにはそんな力があると思います。
スラローム選手権大会はそれ自体が大きなデモのようなものです。
あえて勝負をつけることでエンターテイメントになるように作られています。
今度は、デモに参加すること・演技を完成させること自体を目標にできるようにしたいと考えました。
そこに勝負は無いが、より演技が洗礼され、最終的には各地で横展開できるような仕組みにするにはどうしたら良いのか考えました。
それまで活動したデモで、課題になる点がいくつか思い当たりました。
・MCができる人間は多くない。なおかつ育てるのが困難。
・予め演技を決めようにも、得手不得手や日程調整などが難しく、直前の打ち合わせでできる範囲で決めることが多い。
・明確な流れが確立できず、デモを目標にしたくても何を準備したら良いのか見当も付かない。
僕はMCができません。
訓練すれば解決できる部分もあるかもしれないが、それでは横展開は難しいでしょう。
なにせ、MCは滑っていられないのです。
滑りよりも喋りを練習しようなんてスケーターがそんなにいるとは思えません。
そこで、MCがゼロとはいかなくても、少しアナウンスするくらいで進行できる演技を考えてみました。
以前から相馬さんが言っていたことが頭に残っていました。
「演技をするスポーツは最終的にはどれも音楽に合わせたり、複数人数でシンクロなりの演技をする。」
冨士見台児童センターで行われていた一輪車の教室で演技を見ていたのも大きな影響を受けました。
BGMを決めて演技内容を決めよう。
技術的難易度はそこそこで、複数人数での技を中心に演目を作ろう。
演目をできるだけ多くの人に覚えてもらって、デモの日程に合う人で出演してもらおう。
最初に子供達にやってもらおう。大人がやるよりも映えるから。
色々な人に声をかけ集まった少年少女10名。
このときのメンバーは僕との交流が比較的多かった人で、両親がインラインスケートに大きな理解がある人で、子供本人がインラインスケートの練習を楽しめそうな人に声をかけました。
なにせ、先がまったく見えないプロジェクトです。
途中でなくなっちゃうかもしれない、最初のイメージとまったく違ったものになるかも知れないのですから、お互いのさじ加減が想像できていなければトラブルになるのは分かっていたからです。
今のスカウトの原型になる基礎練を毎回行い、少しずつ演目を教えていきます。
なかなか上手く行きません。
いくつも演技に修正を施し、各自の熱心な練習の結果、何とか完成までこぎつけました。
こうして辿り着いた初のデモは、三井アウトレットパーク 多摩南大沢で行われました。
土日で2日行われる予定でしたが、日曜は雨天のため土曜のみの演技となりました。
段差の大きいタイル路面という悪条件での初舞台を全員で成功させることができました。
その後、レベルを上げた新しい演目を作成し、メンバーに日々精進してもらっています。
チーム名のローリングミニッツ(Rolling Minutes)は子供のミニではありません。
ミニットマンから拝借した名前です。
※ミニットマン(minute man)とは、アメリカ独立戦争当時の民兵で、その由来は、招集されたら1分(minute)で駆けつけることから。
自分達の自由のために駆けつける。
いつでも駆けつけられるように、普段から腕を磨いておく。
そんな集まりになれるように願いをこめて名前に拝借しました。
近々ミニッツのサイトを用意します。 このサイトはミニッツを目指す人たちのための資料館となる予定です。
ミニッツのサイトを公開しました。
http://minutes.wiruz.com/

uhouho

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