やしおスケートパーク(品川区)へ行ってきました。
第13回インラインスケート・スラローム選手権大会をJISSAで運営するためです。
このイベントはやしおスケートパークとJISSAの共催です。
この場所で選手権大会をひらくのは初めてでした。
ローカルの方々にはスタッフの補助をお願いしました。
また、事前のマーキング等の準備、備品手配などなどローカルの方々にお願いしました。
皆さん、選手として参加されながらスタッフも勤め、大変だったと思います。
今回の大会は若干のルール変更がありました。
凄い変わったとおっしゃっている方もいらっしゃるようですが、年間によっての変化を表にしたら、都度少しずつしか変えていないことが分かるはずです。
数年は同じ内容でやらないと、問題点が明確になってこないからです。
今回、最も大きく変わったのは、自由演技の制限時間を30秒から15秒にしたことでしょう。
スタッフや参加者から短すぎるという声もありましたが、多くの審査員や観客からは好評でした。
「スピード感が上がった」
「実力が分かりやすくなった」
「自分に挑んでいる姿が増えた」
15秒に変更したのは、そもそも30秒にした経緯から話したほうが分かりやすいと思うので、そこから話をしてみましょう。
まず、この30秒という演技時間を決めたのは第1回インラインスケート・スラローム選手権大会in光が丘(通称光が丘カップ)です。
その前身となった幕張大会でも30秒にしていた記憶がありますが、記憶がイマイチ…。
光が丘で始まったこの大会はずっと30秒の演技時間でした。
最初に20秒とか15秒とかの提案をしたのですが、「それでは自由度がなさすぎる」という声が強かったため、30秒で折り合いをつけました。
最初は、スピード重視のルーチンで走り抜ける選手が勝ち残る傾向がありました。
これは実は、戻りルーチンをしていた選手が不利だったわけではなく、戻りをするとキックの確率が上がり、大半の選手がキックをしたための傾向でした。
ここで、uhouhoは光が丘カップから離れ、新横浜での少年スラローム選手権大会の運営へ移ります。
選手の実力が上がってくるにつれ、今度は戻りでキックをしない選手が増えました。
ジュニアの成長は早いです。
今度は如何に見たことがない技を組み込むかという勝負になってきました。
技を考えるのは良いのですが、トリックスラロームの本来の姿は演技です。
技術競争ではないことが選手に上手く伝えることができていませんでした(未だに伝えられていないと思います)。
演技に起承転結などを考えずに、「とにかく時間内になんでも沢山技を入れれば勝てるんだ」という思い込みが見られるようになりました。
既に、演技とは言い難いものも多かったように思います。
それから、光が丘カップは平行してローカルの方々が運営をしていたために、「同じルール・審査基準だ」と選手が思い込んでいたというのも混乱の原因だったと思います。
uhouhoの中での演技内容の重要性は正確性>速度=>安定性>難易度>独創性の順番で重要視します。
上記の順になったuhouhoの理由
1.まず正確にやることを無視した場合、スラロームが成り立たない。
2.ある程度の速度に上げなかったら安定するのは当たり前。
3.その上で演技が美しいかどうかに最も影響するのが安定性。
4.ここまで互角の勝負があった場合、最初に考えるのがどちらがより高度な技を使いこなしていたかどうか。
5.最後に上記をひっくり返すほどの斬新なアイディアを持ってきた人を評価するための項目。
速度と安定性はほとんど同列です。
その上であえて順番を付けると上記のようになるという考えでいます。
話を演技時間を15秒に変更した理由に戻します。
完全に演技の流れという考え方が抜けてしまっている選手たちにメッセージを送るためです。
15秒で抜けられる中で、選手たちに技をどれだけ組み込めるのか挑戦してもらいたいということです。
スラローム検定の1技が身に付いているという基準が8秒です。
この約倍の時間があります。
その15秒で抜けられないということは、そのルーチンは身に付いていないというレベルだと考えています。
「難しい技を入れられないから、時間を伸ばして欲しい」という意見は、根本的なJISSA(主にuhouho)からのメッセージ「起承転結があり、最低限の速度と安定度を満たした上で難易度を求めて欲しい」ということが伝わっていないということだと感じています。
「それはAクラスだけでやってくれ」という声もあるようですので、それは検討したいと思います。
スラローム検定もノービス検定(本検定の距離・パイロンが半分で同じLv.基準)を用意したのですから、ルーチン初心者向けのクラスとして考えれば、そのようなクラスもアリでしょう。
上記の審査基準をJISSAのサイトに掲載しないのは、uhouhoが審査員をやらないからです。
各審査員は非常に似た価値観を持っていると感じますが、ブレ(好みの差)があります。
これを明文化して完全に一致させることは、プロとして飯の種になるくらいでないと取り組めないほどの労力がかかります。
そして、ガンジガラメにするほど新しいものは生まれなくなり、そのジャンルは閉鎖的に衰退していくと考えています。
だから、今回の記事はあえてuhouho個人の見解として書きました。
しかし、完全ではないにしても、審査員が多くの点で同意している声を聞いています。
uhouhoは演技とは「自分が好きなことをやるためにあるのではなく、見ている人が楽しむためにある」のだと考えています。
選手自身が「好きな技をやって、それを高く評価してもらいたい」というのは自由ですが、あまりにも観客を考慮していない考え方だとは思いませんか?
審査員を観客だと思ってみてください。
どうしたら、観客が「オー」と歓声を上げ、思わず「凄い!」と言わせられるのか?
それを考えるのは演技者としての努力の一環だとuhouhoは考えます。

uhouho

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