雑記

第13回スラローム選手権大会のルール決定まで

第1回から徐々にルールや料金を変更してきました。
周囲の環境が変化していく中、理事の間で何度も議論が繰り返されてきました。
その度に少しずつ変更が加えられましたが、一度変更したことは2回3回と実施して効果の程を見届けてから、継続するか廃止するかを議論・決定してきました。
ルールがコロコロ変わるという印象を持っている方もいるかもしれませんが、本当の意味で関わりを持ってきた方々は、それほどコロコロ変わっていないことを知っていると思います。

uhouhoはルールにはメッセージが込められるべきだと考えています。

  1. どのような演技を良しとするか。
    (ルールを守って突き詰めるとそこに行き着くルールを作ること)
  2. 高度なレベルに達するまでに何が必要かを感じ取れる段階を用意すること。
  3. 運営を継続するのに無理の無いコスト(労力・費用・準備学習など)に収めること。

これらのことを常に念頭に置きながら、ルールを変更してきました。

http://www.jissa.org/modules/jissadoc/index.php/201411yashio/

今回のトリックスラロームの演技競技について、大きな変更は下記の3点です。

  1. マスタークラス(敗者復活戦・選手による相互採点方式)の廃止。
    代わってシニアクラスの設定。
  2. ジュニア、シニア共に予選を規定演技によるタイム測定により順位を決定する。
  3. 演技時間制限を30秒から15秒へ変更。

もちろん理事会では反対意見も出ました。
最終的に決議を取り上記にはなりましたが、それぞれのuhouhoなりの想いを書いておきたいと思います。

基本ポリシー

まず、今のところJISSAではトリックスラロームの演技を細かい規定で採点する予定がないということです。
これは大会を始めたuhouhoの意見を尊重して頂いている部分が大きいです。
uhouhoはトリックスラロームをパフォーマンスを見て始めました。
格好いいと思ったからです。
何が良くて何が悪いか?その基準を決めるのはあまりにも困難であるのと同時に、時代とともに変化していく必要があるという無限の作業に思えます。
もし、共通の点数や基準を設けたとしたら、それほどの能力を身に付けるのに、どのくらいの労力が必要でしょうか?
採点を職業とするくらいの労力をかけなくては、かなり難しいことだと考えています。

よって、大会を継続するためにも、シンプルな基準である必要を感じています。
だから、どちらの演技が良いのかを単純に比較するトーナメント形式であることを変えるつもりはありません。

今回の変更について

1.マスタークラス(敗者復活戦・選手による相互採点方式)の廃止。

代わってシニアクラスの設定。

まず、過去にマスタークラスを行った狙いを説明します。
相互に選手が審査員を行うことで、何が良くて何が悪いかを客観的に見る機会を得てもらいたいと考えたためです。
しかし、これは時期が早すぎたと感じました。
選手は選手でいたい方々で、将来的に審査員になりたいという方のほうが、かなり少数派であろうことは見ていて感じられました。

また、敗者復活戦は予選を行わないでも、最低2回は滑走できるルールということで採用しました。
ジュニアクラスと同じく規定演技による予選も検討されたのですが、2種類のルーチンを練習するのはキツイという声もあり、予選を行わないで済む形を検討しました。
しかし、運営も混乱するほど難解なルールで、勝者も敗者も実感が湧かないという表情をしていました。
これでは大会での感動は薄れてしまいます。
これらにより、マスタークラス(敗者復活戦・選手による相互採点方式)を廃止することにしました。

次に、オープンクラスではなくシニアクラスにした理由です。
上記の通り、運営の労力を下げるために審査員に厳しい審査基準を課していません。
いかに、無理なく勝敗がつけやすい形式を求めてきました。
この中に「ジュニアなのに凄い」という無意識の加点とシニアが対等に判定するのは、相当に困難という問題がありました。
シニアがジュニアに勝つにはKOするくらいの差が必要とuhouhoは感じていました。
このため、明確に年令による出場可能クラスを分けることを提案しました。
どんなスポーツでもこのような形態を取っていることが多いせいか、反対の声はほとんど上がりませんでした。

逆に初期はオープンクラスにしていた理由が別にあります。
子供がいくら上手でも、とても大人にかなわないくらい、上級者の大人が多かったという時代がありました。
ジュニアクラスでは飛び抜けているけれども、大人にはかなわない。
そこでどこまで行けるのか挑戦したいという子供の意思を拾い上げてあげたかったのです。

今はとてもそのような状況ではありません。
uhouhoなら子供と対戦することを嫌がりますね(笑)。

2.予選を規定演技によるタイム測定に

実はこれは第2,3回辺りから出ていたアイディアです。
しかし、周囲の大きな反対の声にずっと納められてきました。
そして、大会を繰り返していくことで、運営側が理解してくれ始めたのだと、uhouhoは受け止めています。
ある程度決められたルーチンで、ある程度のスキルがあれば、安定してパワーがある方が必ずスピードが出ます。
逆にパワーがあってもスキルがなければ、スピードはトリックの箇所で減速します。
予選でその基本能力を比較した上で、決勝で演技での対決となれば、それは安定した順位を出しやすい流れだと考えています。
そして、基本的なトリックをある程度以上の速度で行うことこそがトリックスラロームの演技の基礎力であるというメッセージでもあります。

ローリングミニッツのメンバー及び卒業者を見れば分かると思いますが、必ずしもスピード派ばかりではありません。
しかし、スピードのある演技についてこられるようになってから、それぞれの特色を引き出しています。
基礎力を身につける前に小手先の技に捕らわれることが遠回りになることを知ってもらいたいのです。

3.演技時間制限を30秒から15秒へ

第1回の大会を開くときに30秒に決めました。
実は最初から15秒とか10秒とかuhouhoは言っていたのですが、これまた周囲の反対にあい(笑)、「まぁ30秒でやってみましょう」という流れだったと記憶しています。
最初は30秒でも大きな問題が起こりませんでした。
問題が起こらないというのは、「戻る人は必ず負けていた」のです。
これは今では笑い話ですが、戻りルーチンの評価が低かったのではなく、戻った選手は皆がキックしていたのです(笑)
そりゃ、負けます。
でも、問題はここから誤解が生じました。
「戻りルーチンの評価が低い!スピードを上げるしか無い!」
そう感じた選手が相当数いたようで、そこから大会に出場しなくなる選手が出てきました。
と、この時点でuhouhoは光が丘カップから離れるのですが…まぁ、この先は思うところが多すぎて書けません。

今言えることは「30秒と書かれていたら、それを目一杯使った方が評価が高いと思っちゃうよね」と誤解されていたと分かったため、15秒にしましょうと提案しました。
今回、なぜかあっさり通りました。

uhouhoのトリックスラローム演技への想い

uhouhoは審査員には滅多になりません。
(運営責任者だから、どうにもやらないと成り立たない時だけやります。それも極小で納めて)
でも審査員をするとしたら、下記のような基準になります。

  • 転倒は論外。
  • キックも論外。
  • 遅すぎも論外。
  • 上体(特に頭の位置)の不安定さは大減点。
    (アンチバッククロスで苦しそうに頭を下げるの嫌いです)
  • 難易度よりも安定性の方が優先。
  • レーンから大きく離れたら大減点。(レースでいうところのコースアウトくらいのイメージ。はっきり言って失敗ですね。)
  • 速けりゃ良いわけじゃないが、遅いよりは絶対に良い。
  • 難易度は低いよりも高いほうが良いが、地味すぎるトリックは高く評価しない。
  • あくまで一般人が驚くような構成を高く評化。(起承転結を心がけて欲しい)

一般人(インラインスラロームに触れたことのない人)が見た時、技の難易度はほとんど差が分かりません。
スネークとクロス、フォワードとバックワード、スピン、ジャンプ、そのくらいのことしか見分けられないでしょう。
(いきなり上記を見分けられる人は、別の演技競技の経験がある可能性が高いですが)
その中でどういう構成で見せ場を作るのか、驚かせるのかがトリックスラロームの真骨頂だとuhouhoは考えています。
一般人が見ていて「ふーん」で帰ってしまうような演技は、パフォーマンスとは言えません。
(演技を英訳するとperformanceなのに、どうして日本だと違うイメージに感じるんでしょうかね?)

uhouhoはトーナメント戦をパフォーマンス合戦だと捉えています。
これは第1回を実施する時から言っていたことです。
しかしパフォーマンス合戦の場合、審査員が全員素人だとミニスカのおねーちゃんが常に優勝しかねないので、選ばれた審査員をおいているのです。(笑)
最終的には素人を50人位集めて、投票するような大会を開きたいと、ずーっと思っています。
(理事の皆さんはミミタコですね(笑))

The following two tabs change content below.
アバター画像
ROLLERBLADE契約選手uhouhoです。 スラロームを中心にインラインスケートの普及活動をしています。

スポンサードリンク

スポンサードリンク

-雑記