「鶏が先か、卵が先か」という言葉は進化論や神学や色々な面から議論される言葉でもあります。
今回は、そういうお固いアプローチではなく、現実社会に当てはめてみるところからインラインスケート業界に当てはめてみるとどう見えるのか考えてみたいと思います。
まず、uhouhoの直感的な結論から言うと、鶏が先です。
人類に置き換えると親が先という意味です。
鶏が居て卵を産んで、卵がかえるまで温めて、雛に餌をやり、餌のとり方を覚えるまで天敵から守る…これが現在の自然の流れですよね。
卵が先にあって、放置されていても自然と羽化し、自分で餌を取り始め、天敵から身を守り、卵が産めるまで成長する…自然にあり得ることでしょうか?
ここからが本題です。
卵や雛がインラインスケートを始めようか考えている人・始めたばかりの人を指すとしたら、鶏は何になるでしょうか?
- 教室(指導員・インストラクター)
- コミュニティ・チーム
がそれに当たるとuhouhoは考えています。
メディアに沢山出れば、目立てば勝手に普及すると考えるのは非常に短期的な視点で、その後のことを考えれば、それを拾う環境が伴わなければ一瞬の効果で終わってしまうことでしょう。
過去に、
- 「教室なんて普及の何の役に立つんだ」
- 「スターが居ないから流行らないんだ」
- 「お金がないからメディアに出せないし、流行らないんだ」
など色々な意見を、色々なところから頂きました。
しかし、一瞬の流行りの時期があり、流行が過ぎた後に残るものと残らないものの差は何でしょうか?
ローラー界のスターが居ない?知られていないだけでしょう?(ローラーフィギュア、インラインスピード、アグレッシブインラインなどはそれこそ世界トップレベルの日本人がいます(居た時代もあります)。)
メディアに出ていない?光GENJI、パレットライン、南明奈のスーパーマイルドセブン、Kis-My-Ft2、東京ドーム ローラースケートアリーナのCMなど出ていないということもないですし、一定期間露出していた時期がそれぞれあります。
uhouhoは「ユーザが続ける価値を見いだせる環境があるかないか」が根本的な問題ではないかと思います。
この価値は多様で「目標」「楽しみ・趣味・レジャー」「肩書価値・ブランド・世間体」など人それぞれ様々でしょう。
マズローの欲求段階説から考えると、
- 生理的欲求:道具・場所が用意できる。
- 安全の欲求:滑れる。止まれる。
- 所属と愛の欲求:同好の士がいる。
- 承認(尊重)の欲求:周囲に認められる。
- 自己実現の欲求:自分の存在表現手法として使うことができる。
というように見えます。
- 体験教室でどんなものか体験してもらって、そこから購入までいくきっかけを作る。
- 教室で教わって、自分が安心して滑れるようになる。
- 教室の受講生同士やローカルスケーターの輪に入る。
- 上達し周囲に認められる。イベント・大会で結果を出す。
- 自分にとってインラインスケートが何なのか向き合う。
uhouhoの現状の結論は、3.までをクリアするハードルが下げる活動の数がまったく足りていないということです。
そして、現在の日本の風潮からはスポーツは3.までで十分だと考えている人の方が多数だと感じます。
それゆえに、uhouhoは
- 教室・イベントを開く。
- 参加者を集めて上達させる。
- 参加者、ローカルをつないでコミュニティを形成する。
- 別の場所で1.を初めて、3.で出来たコミュニティはその中の方々に任せる。
ということを繰り返しています。
以前も書いたとおり、人口に対してスケート場は多すぎるくらいあります。
インラインスケート場数とインラインスケート人口を比較してみた
このまま使われない状態が続けば、閉鎖されるスケート場も増えるでしょう。
同様の活動を各地でやることができたら、しっかりとしたメジャースポーツになれるポテンシャルを持ったスポーツだと感じています。

uhouho

最新記事 by uhouho (全て見る)
- 笠間の公園にスケボー施設 全国屈指の競技エリア規模 来年4月にオープンへ - 2020-09-19
- スポーツ博覧会・東京」10月開催 - 2019-07-26
- 横浜市中区でローラースケート体験会 - 2019-07-18